うさぎうさぎの別荘

こっそり。

それは恋ではなく

今週のお題「思い出の先生」

やさぐれていた高校時代でしたが、初めての授業で一目惚れをした先生がいました。
決してイケメンでもなく、オカッパ頭で黒縁メガネで丸顔、中肉中背で…学生時代は絶対モテなかっただろうな(失礼)と思われる、推定年齢35歳くらいの地味な国語のY先生。

何が素敵だったのかというと、芸術的な字と、日々のワケのわからないイライラや気だるさを浄化してくれるような声でした。

周りはみんな、歴史のM先生や英語のY先生…見るからに若くてイケメン寄りの先生方にキャーキャー言っていて、ワタシにはライバルはいないと安心したものでした。

元々国語は好きで得意科目であったのですが、定期テストの前は他の勉強はしなくても国語だけは完璧にして、3年間を通じて90点以下を取ったことはありませんでした。ちなみに数学なんぞは散々でしたが。

先生の声を聞くために、板書を見るために…国語の授業だけはサボったことも居眠りしたこともありません。友達は皆、あの声を聞くと授業も退屈だしよく眠れるよと言っていましたが。

誰が居眠りをしても怒ることもなく、宿題もなく、ノート提出もない不思議な先生でしたが、決してやる気のない感じではなく、たまに脱線する話もまた面白く。チャイムと同時に教室に入ってきて、チャイムが鳴るのを計ったかのようにピタリと授業を終わらせるところも、真面目さを感じました。

現代文の授業も古文の授業も心地よかったのですが、漢文!漢文の授業が好きでした。あまりに好きが高じて、「鴻門の会」という単元を丸暗記したほどでした。ソラで全文言えたし、返り点を付けながら書くこともできたほどに。

もう定年退職していらっしゃると思うけど、お元気でしょうか。

思えば…ワタシのモサ髪メガネ男子好きはY先生から始まってるのかもしれません。
そして胸の奥にしまっておいた自分だけの密かな楽しみだったこの話を公開するのは、誰にも言ったこともなかったし、ここが初めてです。

「はいこー、たんじつ、ひゃくよきをー、したがえ…」